小さなデザイン事務所のまじめなホームページ制作

白鯨を読む①

「魔の山」の次は何を読もうか迷いましたが、世界10大小説の中から「白鯨」に決めました。上下巻あわせて1000ページ。魔の山の1500ページに比べたら3分の2だけど、それでもかなりの分厚さです。読み終えるまで何か月かかるかな。それにしても魔の山はなぜ10大小説に入っていないんだろう?絶対入るべきやろ。ぼくがこれまで読んだ小説で一番凄いと思ったのは・・・いや、一番とか決められないけど、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」「悪霊」はいずれも読み終えた後、しばらくその世界から抜けられませんでした。「悪霊」はすごかった。読んでいて面白いなーと感じたのは「カラマーゾフの兄弟」が一番かもしれません。サン・テグジュペリの「人間の土地」も感動しました。でも小説じゃないからあれか。もちろん「魔の山」もベスト10に入ります。短篇だったらマンスフィールドの「園遊会」、サン・テグジュペリの「夜間飛行」も良いなあ。とにかく次は「白鯨」を読みます。

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解説者不要論再び

代表戦を見なくなったのは、解説者たちがうるさいから、というのも理由としてあります。「おーにいっぽーん」の大合唱もストレスだけど、それ以上に喋り続ける解説者たちへのストレスが、サッカーを観る喜びに勝ってしまうからです。悲しすぎる。だいたい1人でもうるさいのに、最近は2人も3人もいるから手に負えません。何故そんなに沈黙を恐れるのか。しゃべらない解説者が一番いい解説者です。副音声で「解説者無し」が選べるようになったらいいのに。

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1年生のおわり



あっという間に
1年生が終わった。
良いクラスだったから
解散が残念だけど
とにかく1年間
おつかれさま!

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ただ体を通過していくお茶

熱いお茶をポッドに入れて仕事部屋に持ち込むようになってから、お茶を飲む量が格段に増えました。そしてトイレに行く回数も増えました。たくさん飲むと体に良いと聞きますが、たくさん飲んだぶん、たくさん出ていってしまっているみたいで、結局プラマイゼロなんじゃないか?飲む意味はあるんだろうか?食べ物だったら血や肉になってそうだけど、お茶ってただぼくの体の中を通過しているだけなんじゃないか?と、そんな疑問が湧きました。でも、体に良いから飲んでいるわけではなく、飲みたいから、美味しいから、飲んでいるわけなので、別にただ通過しているだけだとしても、別にいいやと思いました。

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ワールドカップ

日本代表が強くなってうれしい反面、ワールドカップ予選のあのヒリヒリした緊張感が無くなって、予選に対する興味が薄れてしまいました。前回は大国ドイツとスペインを倒し、もはやアジアでは敵無しになって、ワールドカップに出場することが当たり前になり、選手たちはワールドカップ優勝を宣言している、それは本来スバラシイことなんだけど、ぼくらの世代、まだワールドカップが遠い世界の話だった時代に生きたサッカーファンにとっては、ワールドカップの神聖さが失われてしまったような気がして、どこか寂しいのです。

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魔の山を読む⑩

ついに読み終えました。半年以上かかったけど、下巻の途中からはぐいぐい読み進めて、一気にラストまでたどり着きました。すごかった。ところどころ難しくて字を追うのが苦痛だったけど、それ以上の喜びがありました。いつのまにか自分が活字の世界に入りこんでいました。こんなとんでもないものを一人の人間が書けるなんて、人間ってすごいな、これから先、これを超える読書体験はあるのかな?

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魔の山を読む⑨

残り160ページ。ゴールが見えてきた嬉しさと、終わってしまう寂しさ、後者のほうが大きいです。いま、ハンス・カストルプがレコードにハマっています。とても重くて、劇的なエピソードのあとで、しかも長い長い物語の最終盤にきて、主人公がレコードにハマるという意外性。クラシックを中心に、音楽の話題が展開されています。まさかこのまま終わらんよね?小説の中で音楽のうんちくを語るといえば、村上春樹さんがその代表ですが、きっと村上さんは魔の山の影響を受けていたんだな。ノルウェイの森の主人公(ワタナベくん)は、たしか魔の山を読んでいましたよね。

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雨の中で濡れずに車に乗り込むのは難しい

雨がざーざー降っている時の
上手な車への乗りこみ方が
いまだにわかりません。

ぼくはまず
傘をさしたまま
メガネを運転席の
ダッシュボードの上に
シュッと投げるように置いて
傘を後部座席の足元に投げ入れます。
そして素早く運転席へ乗り込みます。

これが最適解なのでしょうか。
どれだけ素早くやっても濡れてしまいます。
そして車から降りる時がまた難しい!

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魔の山を読む⑧

ついに最終章に突入しています。ペーペルコルンというオランダ人の大富豪がやってきて、この人がすごく人間的で、魅力的で、ページをめくる速度がぐっと上がりました。そして、難解で高尚な議論をいつも交わしていた2人(ナフタとセテムブリーニ)が、やたら小さい人間に思えてきました。あと300ページ残っているとはいえ、物語の終わりがなんとなく近づいています。さみしい!魔の山を読み終えたら、同じように読み終えた人と話したい!こんなに読むのがしんどくて、半分以上退屈な小説なのに、そう思えるのが不思議です。夏葉社の島田さんが著書「長い読書」の中で、魔の山について書いているようなので、それを読むのも楽しみです。

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すっきりしない気持ち

いままでずっと確定申告は、プリントアウトした用紙を税務署に持っていき、その場で提出して税金を支払っていました。だけど今回はじめて、e-Taxで提出し、支払いもネットバンク経由でおこないました。わざわざ税務署に行く手間が省けてよかったんだけど、なんか手応えがないというか、あの税務署を出たあとに感じていた「あー、終わったー」という清々しさが無くなり、払う必要のないお金を払ってしまったような、どうにもすっきりしない気持ちです。なんなんだこれは。そういえば昨年、税務署を出たあとでKBCシネマへ行き、「コット、はじまりの夏」を観たのでした。

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熱いお茶

小さめのポッドに
熱いお茶を入れて
仕事場に持ち込み
湯のみでちびちび
飲んでいます。

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魔の山を読む⑦

いまの若い人はなんでもかんでも「カワイイ」と「ヤバイ」で表現していて、いちいち言語化するのが面倒臭くなっているのか、それとも人類の進化(退化)として、言語はどんどんシンプルになっていく宿命なのか。こだわりの本をセレクトする硬派な本屋の店主が、「まじカワイイー」と言いながらスマホで店内を撮影し、何も買わずに出ていく若者に腹を立てていた。うちの店がカワイイわけないだろ!って。

魔の山では、あの難解コンビ「ナフタとセテムブリーニ」が出てきて、フリーメイソンに関する退屈極まりない議論をはじめて、もう何を言っているのかさっぱりわからん。しかし、読み飛ばさず、内容の98%は頭に入ってこないのに、必死で文字を追っていく、そんなストイックな自分にシビれました。

98%頭に入ってこない文字を追うことに、果たして意味はあるんだろうか?たとえ頭に入ってきても、1年後にはキレイに忘れているから、じゃあ何のために本を読むのか?それは永遠の謎です。いくら魔の山を読んだところで、実際に人と会話をはじめると、ぼくの言語能力は「カワイイ」と「ヤバイ」でなんでも表現する若者と大して変わりません。

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かっこいい

佐々木朗希投手の
投げ方かっこいいな!
マウンド上の顔つきもいいな。

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アナログ派

ぼくは断然、デジタルよりアナログが好きですが、元々そういう資質があったというより、デジタルな仕事をしているからこそ、アナログに惹かれるのかもしれません。山で育った自然児より、都会で育った子のほうが、自然の偉大さに近づけるのと同じ法則で。とにかくスマホだけは、海に放り投げたくなる。スマホなんてないほうが、絶対幸せに生きられるから。

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子供が描く絵を見ていると
たまに自分のタッチに似ているな
と思うことがあります。
もちろん子供の描く線ほどに
いい線をぼくには描けないけど。

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量が質を超える

森山大道さんのワークショップに参加した人が、森山さんに撮った写真を見せると、大抵「撮った数が少なすぎる」と言われるらしい。シャッターを押す前にあーだこーだ考えすぎて、結局撮った枚数が森山さんのそれと比較すると、圧倒的に少ないそうだ。素人よりも、巨匠のほうが、貪欲に数を稼いでいるというのは、とても興味深い話です。

例えばルアーフィッシングでも、釣れる人は釣れない人よりたくさんルアーを投げている、これは真実です。いいキャッチコピーを書くための秘訣は、頭であれこれ考えるより、とにかくたくさん関連する言葉を書くことからはじまるし、デザインも1発で決まればラクだけど、実際はこれでもかこれでもかと、作り続けた先にゴールがあると思います。

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魔の山を読む⑥

いつもカバンの中に文庫本をひとつ入れていくので、今は「魔の山」が、ぼくと行動を共にしています。打ち合わせ時刻の1時間前、現場近くのパーキングに車を停めて待機している間、魔の山をパラっと開きます。ウエスト中華飯店で頼んだチャーハンが到着するまでのわずかなスキマ時間も、魔の山をパラっと開きます。寝る前もパラっと開きます。どのタイミングで開いても、難しくて1ページぐらいしか進まない。魔の山がいつもそばにあって、後から振り返ると、あの時はいつも魔の山を読んでいたなあという思い出になるのか、ならないのか。読みはじめてもう半年が経ちました。

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スチュワートさん

ずっと前、まだWEB制作を仕事にする前、nanoloopというGameboyで動作するソフトウェア・シンセサイザーを使って、チープな電子音楽をつくっていました。

ちょうどインターネットが普及しはじめた時だったので、独学でつくったホームページに音源をのせて、海外のいろんなレーベルにメールを送っていると、アメリカの555 Recordingsというレーベルのスチュワートさんから返信が来て、今度コンピつくるから参加しない?と言われ、レーベル名にちなんだ55曲入りの(1分弱の曲ばかりを集めた)アルバムに入れてもらいました。

その後もスチュワートさんに「こんなのできたよ」と送り続けていると、いいやん!となってアルバムを出してくれることになり、25歳のぼくは有頂天になりました。その時、スチュワートさんの助言に逆らって、紙ジャケではなくプラスチックケースを選択したことを、今でも後悔しているのです。

スチュワートさんから何度も「紙ジャケのほうがクールだし、輸送コストも抑えられるから、紙ジャケにしてくれ」と言われました。しかしぼくは、CD収納ラックにきちんと収まらないという、ただそれだけの理由で紙ジャケを拒み、頑なにプラケースにこだわりました。結局スチュワートさんが折れて、プラケースでいくことになりました。

500枚プレスされ、そのうちの50枚がアメリカからぼくの家に送られてきました。それを自分で手売りしたお金が、ぼくの報酬ということです。頭のどこかでお金を貰えると思っていたぼくは、その時はじめてインディーズのリアルを知りました。自分の作品がCDになったことに感動したけど、段ボールの中に積まれた50枚のプラスチックケースが、なんだか味気ないモノに見えてきました。

プラケースのやり取りから、スチュワートさんとの間に気まずい空気が生まれてしまい、その後メールをやり取りすることは無くなりました。

スチュワートさん、元気かな?あの時ちゃんとスチュワートさんにお礼を言えていないような気がする。遠い国の、見ず知らずのぼくの音楽に耳を傾けてくれて、拙い英語にも辛抱強く付き合ってくれて(まだグーグル翻訳のような便利なものはなかった)、当時の小さな夢を叶えてくれたことに対して。今度スチュワートさんに手紙を書こう。そしてプラケースにこだわったことを謝ろうと思う。

ちなみにこの時の体験で、ぼくはインターネットの可能性にシビれ、ホームページ制作の道に進むことを決意しました。

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グラグラしていた
子供の前歯が1本
ようやく抜けた!

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濵本奏さんの「midday ghost」

middayghost

たしか本屋青旗さんが出来て間もない頃、そこで濵本奏さんの「midday ghost」を見て、うわ、いい!と思ったけど、当時はすでに評価の定まった過去の名作ばかり追いかけている時だったので、いや、これを買うよりも、中平卓馬やエグルストンの古書を探して買ったほうがいいだろうと、そんな風に思ってしまいました。

自分の感性を信じられるようになるには、それ相応の数をこなす必要があって、それはアートに限らず音楽でもなんでもそうだと思うけど、数をこなすことによってはじめて「自分でジャッジできる眼」が養われますよね。そしてようやく最近、写真集の分野でそれを獲得しつつあります。

「midday ghost」は一見すると、逆光でぽわーんとさせたエモいと言われる写真群に似てるように見えるけど、否、似て非なり、20歳の女性が撮ったという事実が、更にそういうカテゴリーに入れてしまいそうになるけど、違います、壊れたカメラはただの手段にすぎない、確固たる自分の世界がある。

ぼくは一時期、ローファイと呼ばれる音楽を熱心に聴いていた時期があって、ペイヴメントとか、ガイデッド・バイ・ヴォイシズとか、初期のベックとか、そういう人たちの音楽、王道のやり方なんて最初から気にもかけず、未完成の美学を追求していく、そんなローファイ精神が濵本さんにあるとは思えないけど、ぼくの中のローファイ魂が、4年前のあの時、うわ、いい!と思わせたんじゃないかと思うんです。傑作。

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