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本のこと

カラマーゾフの兄弟

カラマーゾフの兄弟


カラマーゾフの兄弟、上中下3巻、約2000ページもある、あのドストエフスキーの大作をついに読み終えました。

「世の中には二種類の人間がいる。カラマーゾフの兄弟を読破したことのある人と、読破したことのない人だ」と言ったのは村上春樹さんですが、ぼくは読破したことのある人の仲間入りをしたわけです。てってれー。

結論からいうと本当に面白くて、下巻の最後のほうを読んでいるとき、ああ、もうすぐ終わってしまう、という寂しさを感じながらも、ページをめくる手が止まらない。そんな感じでした。こんなに充実した読書体験は久しぶりです。

頭の中でカラマーゾフの世界が出来上がり、ロシアの風景や個性的な登場人物たちの顔が、映像として脳にしっかりと刻まれ、いまだその世界から抜け出せていません。

ぼくは長男のミーチャ(ドミートリィ)が好きでした。乱暴者でめちゃくちゃだけど、正直でウソをつかない誇り高い男。もっとミーチャのことを見続けたかったなあ。上中下じゃ足りん。

確かに難解な部分はありました。それを本当の意味で理解できたかどうかはわかりません。でもそこから何かを感じとることはできました。映画も小説も、そこが大事です。すぐにわかってしまうものなんて、すぐに役に立たなくなるんです。そういうもんです。

それにしても、次男のイワンが語るキリスト教や神についてのくだりは、人間が書いたとは思えない凄みがありました。ドストエフスキーさんも凄いけど、翻訳者の原卓也さんもすごい。

きっとまた読み返すとおもいます。そのたびに新しい発見があると思います。カラマーゾフの兄弟は、ぼくにとって特別な作品になりました。

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本、ほん、ホン

どんなに忙しくても、本は読んでいます。以前は、ひとつの本を読み終えてから、次の本にとりかかるという正統派読書スタイルでしたが、最近は同時に複数の本を読むスタイルになりました。

ちなみにいま読んでいるのは

たましいの場所(早川義雄)
カフカ短篇集(池内紀編訳)
銀の匙(中勘助)
新しい人の方へ(大江健三郎)

です。漱石の草枕、梶井基次郎の檸檬、カラマーゾフの兄弟も控えています。そう、ついにカラマーゾフを読む覚悟を決めたのです。

早川義雄さんの「たましいの場所」は、本当の気持ちが書かれていて良いなあ。SNSで書いたらきっと叩かれることも書いてあるけど、それが正直な気持ちだってわかるから、読んでいて心に響く。SNSなんて嘘だらけやもんね。

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小さなユリと

なんと・・・


小さなユリと


取材の帰りに立ち寄った蔦屋書店、特に何かを探すでもなくぼんやり詩集コーナーを見ていたら、黒田という文字がパッと目に入って、ん?黒田?薄い背表紙のちいさな文字をよーく見ると「小さなユリと」って書いてある。

ネット上から姿を消したと先日ブログに書いたばかりの本に、まさかこんなに早く出会えるとは。とてもうれしい出来事でした。

妻の入院中、3歳の娘ユリとのふたりきりの日々を綴った、黒田三郎さんの詩集。どの詩もじんわり心に染み入ります。最期を締めくくる「小さなあまりにも小さな」が、ぼくは特に好きです。

夏葉社さんの本はどれも丁寧につくられていて、紙の質感やサイズ感も手に心地よく、物質としての魅力も大きい。詩の題名だけがポツンと書かれたページをめくって詩がはじまる。ひとつひとつの詩に対する、作者に対する、敬意が感じられます。

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早く家へ帰りたい

早く家へ帰りたい


夏葉社から出ている詩集のうち、この「早く家へ帰りたい」と「小さなユリと」をいつか読もうと思っていたら、小さなユリとが暮らしの手帖に掲載されて、ネット上からあっという間に姿を消しました。(いつか重版されるそうです)

それで慌ててこちらを購入した次第です。障害をもって生まれ、わずか4歳で亡くなってしまった子供との日々が綴られた、高階杞一さんの詩集です。悲しいんだけど、子供を思う温かい気持ちが溢れていて、とても感動します。

子供とあそんでいて、しつこく「もう1回もう1回」と繰り返されると、うーんキツイ・・・となり、「じゃあこれで最後ね」と切り上げてしまいがちですが、もっとできるかぎり応えてあげなくては、と思いました。

もしそれが本当に、最後になってしまったら、と考えると。

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ブックオフ大学ぶらぶら学部

ブックオフ大学ぶらぶら学部

ブックオフが好きです。

いやいや、もういい大人なんだから、本ぐらい新品で買いなさいという意見はごもっともです。もちろん書店やネットで新刊も買います。しかし、ブックオフでしか味わえない楽しさや喜びがあるのだ。

110円の均一棚から「え!これが110円?」を見つけだす楽しさ。ずっと気になっていた本を見つけて「まさかお前がブックオフにいるとは・・・」という驚き。きっと定価じゃ買わないけど110円だから買っとくかという非常に失礼な気持ちで買った本が当たりだった時の喜び。

たぶん、目利き店主の古書店だとこういう楽しさはなくて、玉石混淆なブックオフだからこそ味わえる楽しさです。欲しい本はほとんど無い。だが見つけたときは即勝利。それがブックオフ。

夏葉社さんのサブレーベル岬書店から出た「ブックオフ大学ぶらぶら学部」を読みました。いろんな人のブックオフ愛が溢れていて、とても面白かったです。

これを読んだら今すぐブックオフに行きたくなります。

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写真集のはなし

ロバート・フランクの名作「THE AMERICANS」の良さがわかるようになりました。見れば見るほど好きになる。

いまの一番の興味は、写真集を見ることです。好きな映画を見るように、好きな写真集を見ます。

静かに眺めるのも良いし、ヘッドホンで音楽を聴きながらページをめくると、うまくいけば自分だけの映画を観ているような、そんな感覚が味わえたりもします。あ、映画といえば、先日Netflixでジョーカー観ました。

だれかが「日本には写真集を買う習慣がない」と言っていました。みんなiPhoneでパシャパシャ撮ってインスタにあげて、写真大好きなはずなのに、買う習慣はないって不思議ですね。

写真集

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何度も読みたい広告コピー

何度も読みたい広告コピー

仕事中、ぱっと手にとれる場所に置いてある資料やデザイン書。そこに「何度も読みたい広告コピー」も置いています。

最近ホームページをつくっていて、言葉の重要性を前よりも強く感じます。まず言葉があって、それを補うためにデザインがある。

「何度も読みたい広告コピー」には、有名なコピーがたくさんのっています。この本の凄いところは、コピーを書いた制作者の想いや、制作秘話まで載っていることです。これがまた、ぐっとくるんです。

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東京百景とアルバイト時代

東京百景


ピースの又吉さんが、
まだ芥川賞をとる前に書いた
エッセイ集「東京百景」が好きです。
又吉さんの人柄が、
文章からにじみ出ています。

おもに売れない芸人時代のことを書いていて、
彼は実に様々なアルバイトを経験しています。
アルバイトのエピソードが出てくるたびに、
ぼくの心は過去の自分にタイムスリップします。

何を隠そう、ぼくも又吉さんに負けないぐらい、
豊富なアルバイト経験があるのです。
ウェブ制作会社に入社する前、
結構長いアルバイト時代があったのです。

コンビニエンスストア、カラオケボックス、
居酒屋、カレー屋、パチンコ店、
物流倉庫の仕分け、レンタルCDの加工、
配達、祭りのテキヤ、いろいろやりました。
だから又吉さんが芸人として売れず、
いろんなアルバイトをしていた時の気持ちが
とてもよくわかります。

なんて、ぼくの話はどうでもよくて、
東京百景はほんとうに素晴らしい本だと思う。

読んでいる途中、思わずパタッと本を閉じて、
ああ、めちゃくちゃおもしろいな、
まだ半分も残ってる、ゆっくり読もう、
としばらく表紙を眺めてから、
しおりを挟んだページに戻る。
そんな本です。

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名作のチカラ

先日、妻が絵本を爆買いしてきました。絵本は惜しまずたくさん買おう、というのが我が家の方針なのです。

その中のひとつに「はじめてのおつかい」という絵本があって、ぼくは初見だったのですが、子供と一緒に読んでいて、途中でうるっときて声が詰まりました。名作やないか・・・。

あの番組のタイトルって、この絵本からとってるんですかね、やっぱり。ぼくの両親はあの番組が大好きで、いつも泣きながら観ていましたが、ぼくも今なら泣くでしょう。100%泣く自信があります。

後日、みんなでジョイフルへ行ったとき(ぼくはジョイフルのペッパーハンバーグが好きなのです)、子供が店員さんに向かって「これくださーい」と大きな声で言っていて、あ、はじめてのおつかいのあの子を真似してるんだな、と気づきました。

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青春ピカソ

青春ピカソ


これは完全に名著です。

もっとはやくに読みたかった。
いや、今のアップアップ状態で、
つくる喜びを見失いかけていた今だからこそ、
心に染み入ってくるんでしょう。

つくるぞ。

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