東京は人も多いけど、レコードも多い。手のひら潔癖のぼくは、レコード屋を出るたびに、キレイキレイで手を除菌します。ノルウェイの森に出てくる伝説のジャズ喫茶「DUG」にも行きました。ここに村上春樹さんや和田誠さんが通ったのか、と思いながらコーヒーを飲みました。良い雰囲気でした。
新宿ピットインで、人生初のジャズライブも体感しました。それはそれは素晴しかった。山岸笙子さん(P)林正男さん(B)田村陽介さん(Ds)というピアノトリオで、演奏がはじまった瞬間「ジャズだ!」と、ぼくは感激してしまいました。
普段、おいしい料理に出会ったら、なるべくお店の人に「美味しかったです」と伝えるように心がけているぼくは、この日、わざわざ客席まで挨拶に来てくれた山岸に何も言えず、ペコっとよそよそしいお辞儀だけをしてしまいました。ああ、情けない。
夢はいくつかありますが、ひとつはニューヨークの「Village Vanguard」でジャズを聴くことです。でもまだまだ修行が足りないから、もっとジャズを知り、人生経験を積んで、堂々とジャズを聴ける大人になれたら、行きたいです。