小さいホウキとチリトリを机の近くにセットして、消しゴムのかすやホコリが目についたら、ささっと掃きます。その時いつも、高校の時の担任の先生を思い出します。
その先生は現代文の先生で、たぶん当時50代だったと思うんだけど、昔ながらの風習をこよなく愛するタイプの人でした。その先生がある日、授業中に突然「ぼくは掃除機というものをいまひとつ信用していない。だから今もホウキで家の掃除をしている。ホウキで掃いたほうがキレイになったという実感がある」というようなことを言ったのです。
高校生のぼくは「変わった人だ、掃除機のほうがキレイになるに決まってるやん」と思いました。今も掃除機のほうがキレイになるという認識は変わっていないけど、先生に対する気持ちは変わりました。
ホウキで掃除をするのはいかにもその先生らしいし、効率や結果とは関係なく、先生はホウキで掃除をするという行為がただ単純に好きだったんじゃないかなあという気がします。ぶおおおーーんずずずずっーーよりも、さっさっさのほうが美しいもんね。
今朝も消しカスをミニほうきでさっさっさっとやりながら、先生のことを思い出しました。