夏葉社という出版社を、たったひとりで経営している島田潤一郎さんの本「古くてあたらしい仕事」を読んだ。島田さんはぼくと同じ1976年生まれ。編集も営業も事務も発送作業も、すべてひとりでやっている。
つくっているのは年に3冊ほどの本。マーケティングとかではなく、自分が心から良いと思える本を、妥協することなくつくる。具体的なだれかをおもってつくる。売るための過激な言葉を嫌い、できる限り静かで、地味な本をつくる。美しい本をつくる。
本ができたら、全国各地の書店を自分の足で訪ね、一軒一軒、営業する。夏葉社の本を良いと思ってくれる書店員さんとの一対一の関係を、島田さんはとても大事にする。
島田さんは「小さな仕事を長く続けるためのコツのようなものがあるとすれば、それは手間暇のかかった、具体的で、小さな声によりそったものだ」と言う。同じくひとりで小さくやってきたぼくにとって、共感できる言葉だ。早速、夏葉社の本を1冊買った。ホームページもシンプルで良い。