曽我部恵一さんが書いた「いい匂いのする方へ」というエッセイ本があります。曽我部さんは言うまでもなく、サニーデイ・サービスというバンドをやっているミュージシャンですが、正直に言うと音楽のほうは熱心に聴いたことがありません。Baby Blue という曲は好きで、よく聴いていました。「いい匂いのする方へ」は、曽我部さんが3人の子供のこと、愛犬のこと、映画のこと、音楽のこと、いろんなテーマについて誠実な姿勢で書いていて、とても面白いです。好きな本というテーマでは「自然のレッスン」という本が紹介されていて、いつか読みたいなと思っていました。先日丸善の中をあてもなくぶらぶら歩きながら、無数に本が挿してある巨大な棚を眺めていると、自然のレッスンの背表紙がパッと目に入ってきました。山奥で暮らさなくても、街中でなるべく自然に生きるためのコツが、数行のシンプルな言葉で、詩のように綴られていて、今のぼくの気分にピタッときました。表紙のデザインもいいですね。